在宅医療について
在宅医療は、文字通り在宅(自宅)で行う医療のことを言います。病院へ通院せず、ご自宅や高齢者施設などに居ながらも、医師による診療を受けることができます。
身体の機能が低下し通院が困難になった高齢者や、病気や障害のための継続的な治療が必要にも関わらず、自力での通院が難しい患者さんなどのために提供される医療サービスです。
さらに、末期ガン患者さんなど、「最期のときを住み慣れた我が家で、家族と共にゆっくり迎えたい」という願いを叶える医療でもあります。
超高齢社会に突入した日本では、この「在宅医療」のニーズが急激に高まっています。今後の日本において、医療機関に通うことができない患者さんは増加の一途を辿ることが予想されます。
しかし、その患者さん全員が療養型病床への入院や、老人ホームなどの高齢者施設へ入所するには限界があります。
なお、超高齢社会とは、65歳以上の高齢者の割合が「人口の21%」を超えた状態のことを言います。 日本では2010年には高齢化率23%に到達し、超高齢社会を迎えました。
在宅医療は、これからの日本の医療・介護を考える上で避けては通れない課題と言えるでしょう。
平成30年に行われた厚生労働省の調査によると、高齢者の55%以上の人が、在宅で看取られることを望んでいることが明らかになっています。
出典:内閣「高齢者の健康に関する意識調査料(平成24 年)」 |
また、「今後の治療は、在宅と入院のどちらが良いか」という質問には、7割以上の人が「在宅医療」と答えています。
引用:平成28年1月25日 株式会社QLife(キューライフ)「在宅医療に関する調査 結果報告書」 |
そんな在宅医療ですが、「訪問診療」と「往診」に大きく分けることができます。
訪問診療とは、定期的かつ計画的に医師が患者さんの元を訪問し、診察、医療処置、指導などを行うサービスです。
患者さんの病状や身体機能、生活能力などのほか、患者さんご自身やそのご家族が、どのように自宅療養を行なっていきたいかという希望を元に診療計画を立てます。
その診察計画に基づき、医師が定期的に患者さんのご自宅等を訪問し、診察や健康観察、必要な処置を行ってくれます。
住み慣れたご自宅で家族と過ごしながら医師のサポートが受けられるのは、大変心強いですね。
一方で往診は、患者さんの容態が急変したり、何らかの突発的な病状の変化が現れたりした場合に、医師が患者さん宅や介護施設等を訪れ、応急処置にあたります。必要に応じて近くの病院へ搬送したり、入院の手続きをとることもあります。訪問診療を提供している医療機関であれば往診にも応じていることがほとんどなので、いざと言うときに慌てないよう、事前に確認しておきましょう。
また、医師以外にも必要に応じて歯科医師やリハビリ職、栄養士、薬剤師など、医師・看護師以外の職種も医療チームとして参加します。
医師や歯科医師による診察や投薬だけでなく、各専門職が一丸となって在宅医療に携わることで、患者さんにとってより良い医療サービスを提供することにつながります。
例えば、
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など対応が可能になり、医療サービスの幅が広げられます。
このように各専門職が連携し、患者さん一人一人に合わせた医療サービスを提供することで、自宅に居ながらも入院時・通院時と遜色ない医療サービスを受けることができるのです。
「どこに依頼すればよいのかわからない」「もしものときに対応してくれる診療所を探したい」という方は、以下より近隣の事業所を探して見ていただければと思います。
在宅療養支援診療所とは、訪問診療や往診を行う医療施設の中でも所定の基準をクリアした施設を指します。
所定の施設基準には以下のようなものがあります。
【在宅医療支援診療所の施設基準】
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在宅療養支援診療所にかかれば、自分で医師やクリニックを探したり、いろんな事業者と連絡を取り合ったりしなくても、在宅療養支援診療所が対応してくれます。
ぜひ、納得できる在宅医療クリニックを見つけてください。